2017年 Nuit de la photoにて出展したスライドショー「A Dense Fog」を、ご紹介します。
この作品は渦中にいる自分と外野から見ている自分とを霧という存在によって例えています。
物事の渦中に入るのは自分からか向こうからやってくるのかそのときどきで変わります。
渦の中ではがむしゃらですが、俯瞰してみると「なーんだ、そういう事か」とわかることってありますよね。
自分が今いる場所を確かめる。
迷ったときにはこの写真を見てほしいなと。
出てくる場面は屋久島の山道と私の暮らした街。
つながるはずのない場所が、私という存在を通してつながります。
ところで、
スライドショーにまつわる話が。
思い返せば2016年冬。
フォトフェスティバル出展のために写真と共に流す音楽を何日もwebで探していたところ、しんしんとした静けさの中にある楽器の音、木が生きている音、気配を感じる音がするこの曲に出会いました。
そして2018年。
このミュージシャンであるトウヤマタケオさんのライブが偶然にも屋久島で行われ、作品にまつわるお話をすることができました。
実際にお話を伺うと、この曲を録音したのは山の中の一室で、早朝のモヤがかかり空気は冷たく、鳥たちの鳴き声が聞こえる中、窓をあけてのレコーディングだったそうです。
なんだか腑に落ちました。